しばらく彼は来なかった。その間、私はアメリカへ出張していた。一人だったので仕事を終えてホテルに戻っても別にすることがなかった。それで、二十あまりあるテレビのチャンネルをあちこち回しながら映画ばかり見ていた。やはりアメリカ映画は英語のセリフを聞きながら見てこそ味があるし、雰囲気も出るものだ。ドイツの留学生活から帰国して、はじめて「名画劇場」を見たときのちくはぐで、板につかない感じが思い返された。アメリカ人が韓国語の吹き替えで話していることがひどく奇妙で、ストーリーに没入できなかったのである。留学する前はそれなりに楽しめていたのに、違和感が先立ってどうしても集中できなかった(もっとも、日本のテレビ映画で日本語をしゃべるアメリカ人を見たときほどにはおかしくはなかったが)。ちなみに、ドイツで見たドイツ語をしゃべるアメリカ人にはまったく違和感を覚えなかったから、それは姿形や顔つきや身ぶり、それと話される言葉の間のギャップによるのだろう。
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