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最近買収したオーナーの奥方

2011年06月16日

ブランドを創造しようとする人は、モノにブランド名をつけてより高い価格で売ろうと考えているだろう。高く売れば利幅が増えるのは自明の理。しかしブランドは知的所有権だから、それのみを売り買いして商売にすることも可能だ。それについては別のページに譲ることにして、ここでは製品(モノ)について考えてみよう。一般的商業活動においては、いくらすばらしいブランド名があっても、消費者に支持されるモノがなければ宝の持ち腐れで、いっこうに収入は得られない。往年の名だたるオートクチュールブランドでも、ブローカーがブランド名を買っただけで、きちっとしたモノづくりができていないために、お蔵入りの憂き目に遭ったレーベルも少なくない。利益とは、ブランド名がついたために付加価値が高くなった製品(モノ)を販売して、初めて得られるのだから。フランスに八三年間続いている婦人靴とバッグのブランド「シャルル・ジョルダン」を最近買収したオーナーの奥方が、こうのたまわった。「一ヵ月後のクリスマスパーティーに使いたいので、靴とバッグがコーディネートされているセットを私のためにつくっておいてね」それに対して生産の責任者は、「私どもは革を吟味し、色を決め、デザイン画を何枚も描き、木型と成型を研究し、靴やバッグの付属品をつくっている業者と何度も話し合いをして、試作品をつくり、試し履きを繰り返して、初めて奥様に喜んでいただける製品をお届けできるのです。それが三ヵ月間でどうして実現できましょう」