私の心配は現実のものとなった。案の定、口述試験で引っかかるか、通過しても条件つきであるケースが多かったのだ。口述試験にはもともと、その論文を本人が書いたものかどうかを判定する意味合いもあったから、そこで話される言葉が低レベルのものであれば、論文内容の信憑性を疑われるのは当然である。質問にまともに答えられないと、審査の教授たちはドイツ人特有の執拗さで最後まで詰問をやめない。学生はしどろもどろになって、絶句したりつっかえたり、聞き取れなくて問い直したり、冷や汗とともに、いままでの苦労が水の泡になる。しかも、彼らは自分の論文に関する想定問答を丸暗記していたから、途中でひとたびそのポイントがズレると、対策の立てようもなかった。その口述試験に落ちると、論文を別のテーマに変えて新しく書き直さなくてはならない。いうなれば、留学を初めからやり直すようなものなのに、そうした実情を聞いても、留学生たちは相変わらず、誤った方法を使いつづけるのであった。
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